【小さい会社の企業再生】事業縮小したら利益は出るのか?

      2016/07/28

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●事業拡大のため、銀行から融資を受けたが黒字化しない。
●資金力がついてきたので、拡大を狙ったが売上が軌道に乗らない。

 

こんな状況になっている、

小さい会社が黒字化して、安定するためには、
どうしたらいいのか、経験を元に考えてみました。

僕は大きな会社への就職経験がなく、
お仕事で関わるのは90%以上が小さい会社です。

 

ちなみに、僕が小さい会社と思っているのは以下です。
●年商が5億円ほどで営業利益が出ていない。(もしくは、1%未満)
●年商が1億円未満。

この様な会社を経営している人にとっては、
「ほうほう、なるほどね。」と思ってもらえる内容ではないかと思います。

もう、ガッツリ利益が上げられている諸先輩方からは、
「高井ちゃんがまた言ってるよ。」と思われるかもしれませんが、
あったかい目で見ていただけると嬉しいです♪

 

費用を削って、売上を下げて、利益を残す?

企業再生をする時にチェックするのは、
事業を縮小したら利益は出るのか?という事です。

どのようなビジネスでも、
事業拡大による経費増加があれば赤字になる可能性があります。
意図的に赤字の状態を作り出すこともあるでしょう。

赤字の場合はどのタイミングで黒字化を狙っているのか、
どのタイミングまで、いくらまで赤字を我慢できるか、
計画を作っておく事が大切で、
明確に事業を縮小するタイミングを作っておく事と、
問題がない状態で事業拡大への挑戦ができます。

 

しかし、経営者としては大勝負の時は、
リスクばかりに意識をとられていては、
事業の飛躍的な発展はない。と感じると思います。

確かに、その通りだと思いますし、
多いに壮大な目標に向かって邁進していただきたいと思っています。

その事を理解しつつ、
もし、黒字化しない時は、、、
やはり、何かしらの手を施して、
会社にお金を残して行く必要はあると思っています。

 

繰り返しになりますが、
利益が残らない。という状態の時、
黒字化するというポイントにおいて大切な事は、
事業を縮小したら利益は出るのか?という事です。

もし、利益がでれば、そこで事業は一度安定して、
次の手を新たに考えて再挑戦することができますし、

それでも、利益がでない場合は、
ビジネスモデルが成立していないという事が分かりますので、
止めるか。続けるか(再度、始めるか)。の2択から始める事になります。

 

事業拡大による増加する費用-6選-

1、人件費

事業拡大をするときは地道な外注や、
手堅い採用ではなく、N倍を狙った数字的な採用が目立ちます。
一人一人増やして行くのではなく、
ある一定のルールにそって人を増やして行く。というケースです。

人件費のマジックとしては、
社員が100人の会社に、新しく1人入社する場合は、
人件費は1%の増加になりますが、

社員が3人の会社に、新しく1人入社が入る場合は、
人件費は25%の増加になります。

人件費が全体の販売管理の30%〜50%を占めているとしたら、
大きい会社にとっては、販売管理0.3%〜0.5%の増加になりますが、
小さい会社にとっては、販売管理7.5%〜12.5%の増加になります。
1人社員を増やす時の負担が20倍も異なります
※業種により変化します。

要するに、小さい会社が、社員を雇用していくというのは、
既に社員が沢山いる大きな会社が、新しく社員を雇用するのとは、
リスクの大きさが全く異なる。と言う事です。

一気に拡大を狙う小さい企業が、
キャッシュアウトに一直線に向かう原因は、
このコスト計算が甘いところに問題があります。

コスト計算が甘くても安定する為には、
希望的観測とも言える想定売上が軌道に乗る事ですが、
数値化されていない勝負ほど危険なものはありません。

これを何度もくぐり抜けている経営者は、
恐ろしいまでの集中力や人並みはずれた能力や
野性的な勘を持っていると思われますが、
一般的な経営者にそれを求めるのは難しいと思われます。

 

2、家賃

人が増えれば広い場所が必要になります。
多くの人が集まりやすい場所は大体家賃が高く、
人件費と比例して高くなっていくものです。

また、人が増えると経営者の気も大きくなり、
それなりのオフィスを借りたくなるのが心情です。

高い家賃を支払って、そのプレッシャーに打ち勝つ事や、
その気持ちよさを追い風にして、売上を作り、
利益を高め続ける会社もありますが、
「企業再生」という観点から見ると、
あまり賢い選択とは思えません。

最悪でも利益が出ているという形を確保してからのチャレンジ。
それを試みるとしたら、
大きな家賃を支払ってまで良い場所に引っ越したい。
という思いは、経営者のワガママ(気合い入れる・気持ちいい)枠に入れるか、
社員の福利厚生枠に入れて、売上とは直接は関係ない経費を出している。
という意識を持つと良いと思います。

他にしっかりと売上を作るための経費と天秤にかけた時
本当にそれが必要かどうか。の視点が持てれば大丈夫だと思います。

家賃についてはブランド買取 高く売るならウレルの事例も参考になります。

 

3、広告費

広告費については、できれば営業利益をいくら稼ぐ広告なのか
までを計算すると良いと思います。

広告を打てばお祭りの様に、
売上高や世の中に置ける自社のサービスや商品や店舗が盛り上がります。

しっかりと計算されていたり、上手く利益につながり場合は、
本当に素晴らしいのが広告ですが、

計算されていない広告を売った後に襲ってくるのが、
経営者や担当者にしか分からない、
じわじわと襲ってくる「薄い利益」という不安です。
場合によっては「赤字」という不安かもしれません。

広告代理店とのコミュニケーションにおいて、
自社としての具体的な成果をはかりやすい指標を用意して、
その数字をはじく為の「質問」を用意すると良いでしょう。

例えば、不動産売買をしていて、
純広告を出したとして、100件の問い合せがきた時(%にしやすいので)、
成約率は○○%で、一軒あたりの粗利益は○○円と粗利益を洗い出します。

販売管理には売上金額で按分するとして、
今回、広告費を○○円増やした時に、○○件の問い合せがあれば、
トントンだし、満足の数字としては○○件の問い合せが必要な計算だな。
という具合です。

ここまで行くと、広告予算ではなく、
いくら出したら、何件の問い合せが来るのか。
に、広告の打合せの焦点が定まります。

悲観的になりすぎるのはまずいですが、
このくらいのシミュレーションをしながら、
あやふやな回答しか返ってこない場合は、
経営者や担当者としての責任として、
広告費を会社から出していくという意識が必要です。

要するに、その広告は実験枠になり、
利益を出す為に広告ではなく、
他の広告代理店や、他の広告と比べて、
最も費用対効果が出る先を見つけるテストをしている。
という認識になります。

これは、財務に余裕がある時はやっても良いのですが、
赤字の場合は避けられれば避けたいテストです。

 

4、開発費

開発というのは、開発が終わった所でお金が入ってくるものではありません。
最高の物を作れば、それがお金になり会社を大きくすると言うのは、
赤字を黒字にする観点からは、少し達観的と言えます。

アップルがiPhoneを作った事で、
日本の小さい会社の経営者もプロダクトによる一発逆転を狙う話しを聞きますが、
「作る」という作業は「入金」とは距離があります。

開発がまずいという事ではなく、
もし、開発をするのであれば、
前もって、取引先や投資家からお金をもらう約束や入金を貰う事が大切です。

それがない場合は、
他に「売る」という行為をしている事業を持つ事や、
「受注する」という動労集約型の事業を持たないと、
安定した黒字は難しいでしょう。

「製作」と呼ばれる事を事業にしている会社は、
それが投資的な「開発」なのか、
必要とされている「製作」なのか、
が、非常に近い位置にあり混同すると思いますが、
「開発」と「製作」はスキル的に近かったとしても、
考え方は全くと行って良い程違います。

「開発」には、業界や市場に対して、
何かしらの風をふかす必要があります。

アイデアを思いついて作る。
それだけで、はねるサービスもあると思いますが、
先輩経営者の話しを聞いていると、
「業界をかえる」「業界をリードする」という様な、
強く湧き続ける動機が、開発には必要だと言う事です。

 

5、投資的な内実はただの費用

安定した経営を実現した会社の経営者に多いのが、
投資という名の、内実はただの費用というコストです。

経営者の「経費」に対して、都合の良い言葉が「投資」です。
投資は未来に対して、今の資財を投げる事ですが、
重要なポイントとしては、

投げ打った資財がどのタイミングで回収されると、
考えているか。です。

そのタイミングが「分からない」「近いうち」という、
台詞が出てくる経営者や担当者は、
正直な所、投資ではなく、消費をしていると考えて良いでしょう。

明確な回収が用意されていない投資は消費でしかないのです。
もしくは、明確な回収は用意できていないけど、
回収できなかった場合の責任は自分にある。
というコミットメントがある場合は、投資よりと考えても良いと思います。

この費用も赤字の場合は厳しく見直した方が良いと思います。

 

6、在庫

小売りなどに当てはまるコストですが、
販売だけに特化した会社を経営していると、
拡大のタイミングは強気の経営になり、
在庫を引き締める意識が低くなる事で在庫残がでてしまいます。

小さい会社は自社で倉庫を持つのが難しいため、家賃が増えてしまいます。
また、メーカーに対して有利な契約を結ぶのも難しいため、先出しの費用がかさんできます。

 

費用チェックのまとめ

事業拡大による費用について書いてきました。
「そんな事を言っていては経営はできない。」
そんな声も聞こえてきそうですが、
もし、会社が傾いたときは、
この6つのポイントは真っ先にあぶり出されて、
コストカットの対象になります。

要するに、赤字が出ている場合、
この6つの経費の内、どれかが売上・利益を生み出していない。
という事なのです。

利益を生み出していない経費は、必要のない経費です。

ここで、課題になってくるのが「感情」です。
この辺りで、そもそも何で経営しているのか、
と言う事も考えたりするのかもしれません。

 

奇跡を望んでしまっては、確実な黒字は難しい?

もし会社が赤字を数ヶ月続けたとして、
先に書いた6つの項目の経費を適切に削減して、
事業を縮小したら営業利益は残るのか。

「小さい会社を企業再生(黒字化)」をする時に、
チェックする大切なポイントはやはりこれです。
適切にコストカットを行い、事業を縮小したとしても、
利益が出なかったとしたら、それは、ビジネスモデルが間違っている。
と言う事になります。

事業を縮小しても黒字化しなかったとしたら、
何をどうしても、奇跡的な売上の改善がない限り、
自分や社員が生活をしていくお金を稼ぐ事はできない。と言う事です。

奇跡を望んでしまっているかどうかのチェックに使えるのは下記の3つです。

 

 

黒字化に向けて奇跡を望んでいるかの3つのチェック項目

 

1、○○○になれば大丈夫。

新しい商品なのか、新しい製品なのか、
市場の状況なのか、取引先の動向なのか、
自社でコントロールがほとんどできない事に依存した大丈夫は、
ほとんどダメだと思った方が良いでしょう。

もし大丈夫だったとしても、
その考え方をしていると言う事は、
どこかで大きな赤字を生み出すはずです。

 

2、○○○になるはず。

希望的観測を土台にPLを作る会社がありますが、
そのPLの根拠は何なのか。と詳しく見て行くと、
最後はやはり、希望的観測になることが多いです。

最低限必要なのは、その希望的観測を作っている人間が、
過去に同じ結果を生み出した事がある。という事です。

それも一回ではなく、二回以上が好ましいと思います。
もっと好ましいのは、アドバイスした先の会社や人が、
同じ結果を出せているという状態です。

その様な実績の無く、確信に満ちている言葉は、
耳に入れない事が無難です。

 

3、○○○さんが・・・

誰か頼みの話しになったときは、
もし上手く行ったとしても、
・相当の人間関係構築能力が高い人か、
・相当の交渉人でない限り、
危ない橋だと考えた方が良いでしょう。

人は、感情で意思決定を覆せます。
どのようなリスクを孕んでいたとしても、
目の前の出来事一つで180度反対の意思決定ができるものです。
※分かりやすい所としては「家族を守る」などの強烈な執着です。

その様な極端な例を差し置いたとしても、
人に依存した意思決定は不安定きわまりないと思います。

 

===

 

赤字化していた会社を立て直し、
数ヶ月後の予定として黒字化が見えた時、
更に、上記の3つの項目をチェックしても、
黒字化への自信が強い時、
経営者は必然と「一安心」の状態になると思います。

渦中の経営者は心身ともに厳しい状態にはなりますが、
頭はもの凄く冷静にフル回転しています。

ピンチというのはそう言う物だと思います。

 

赤字の際のチェックポイント

繰り返しになりますが・・・
もし、小さい会社を運営していて、
赤字になってしまっている場合、

この3つのチェックポイントを見ながら、
事業縮小をした時に利益はでるのか?
というポイントは必ずチェックしてください。

どれだけ、事業を縮小しても黒字にならない場合、
それは、分かりやすい話としては、
起業をし直すの状態と考えるくらいがよいと思います。

既に自分の生活費以外の毎月のコストを抱えている状態での起業です。
起業をしなおす気概があれば、
ある程度の赤字はカバーできるのが経営者でもあると思います。
このタイミングで他の事業に挑戦する経営者もいます。

※赤字をカバーできない場合は「清算・倒産」なりの方法をとる事になります。
※借金が残っていて、現状の事業で返済できない場合は、その後、新たに起業するか、会社に務めるかで、諸々の必要経費を抜いた残高の70%ほどの金額で、返済を続けられれば荒っぽいですが、落ち着いた事になります。

 

ピンチで手に入る経営力

また、このような経験をすると、
経営者はその経営者なりの、
経営軸や経営に必要な基盤を身につける様です。

融資を受けた、勝負した。
しかし、黒字化できなかった(間に合わなかった)。
この様なピンチを乗り越える事で、
経営者は今までと違った一面を手に入れます。

 

5つのポイントをまとめました。

 

1、自分イズム(理念)を作る

意思決定の軸をぶらさない様に、
深く自問自答する時間を作ることで、
否定、質問、誘惑に動じない思考軸を作ります。

 

2、雇用を一つ一つ真剣勝負で行う

一緒に働く人は、自分にも大きな影響をもたらします。
その事を強く理解し、些細な雇用にも初期段階は口を出し、
むやみやたらな拡大を避けます。

 

3、財務に異常なほど目を光らせる

数ヶ月は経理担当者なのかと思う程、
数字に強くなるプロセスを踏みます。
会社の状況を聞かれれば、すぐさま、
各種利益の金額や割合が口にでるほど、
会社の状況を数字で把握し始めます。

 

4、仲間と呼べる人を確保する

感情のブレや起伏が意思決定をまどわす事を知っているので、
フラットにフレンドリーに対話をできる人を近くに置きます。
ビジネスコーチの様な存在でもありますが、
実際にビジネスを行っている人が好ましいと思う様です。
責任感や、シミュレーションパターンが近い存在が必要だからでしょう。

 

5、事業の自動化を狙い、自分を常に冷静なポジションに保つ

会社全体としての意思決定を冷静に行う為には、
お客様や取引先にまみれた現場のままでは、客観性を持つ事は難しいです。
逆に、現場からはなれ過ぎた経営者の意見は、
会社の急な舵取りにつながり、社員や提携先がついてこなくなります。
この当たりにバランス感に強くなります。

他にも多々、あるかとは思いますが、
僕の経験だとこの様な所だと思います。

 

先に経営者としての底力を身につけられるとしたら

もし、この5つのパターンなどの、
経営者がピンチを経て手に入れる本質を、
赤字を垂れ流して、厳しい状況を体験して手に入れるのではなく、
前もって知識としてしることができたとしたら、
安定的な経営を行いピンチなき挑戦ができると思います。

きっと、多くの起業塾や起業コンサルタントが、
経営者に指導している事は、この様な事だと思います。

しかし、危機に瀕した場の空気感や、
その時にしかない深いシミュレーションの部分が抜けてしまっているので、
単なる知識としてしか伝わらず、
日常の経営には活かされないのではないかと思います。

 

経営は楽しいから惑う

会社経営や起業は非常に楽しいです。

どんなに規模の小さいものでも、
一度、起業や経営をしてしまうと、
中々、サラリーマンという形には、
はまれないのがほとんどの人ではないでしょうか。

お客さん、市場、商品、システム、などの、
課題を真っすぐに解決していく事が、
売上や利益につながって行くのが起業や経営です。

それほどに、
起業や経営というのはダイナミックで、
日々、自分だけの心地よさを味わうには都合が良いです。

ライフスタイルを自分自身で構築できる。
というのも、起業や経営の旨味です。

ある程度上手く行けば、
収入も自分でコントロールしている。という感覚も持つでしょう。

その楽しさの中で、
シビアな視点を持つ事ができたら、
きっと、「優秀」と呼ばれる起業家・経営者なのではないかと思います。

この記事を書きながら、
僕自身、楽しさという「アクセル」と、厳しさという「ブレーキ」の、
バランスをとりながら、経営をしていく努力をしていきたいと思います。

中小企業と言えないほどの、
小さい会社を経営している僕から、
同じくらいの規模の会社を経営している方に向けて、
思いや思考のシェアをさせていただきました。

最後まで一生懸命に書いて見ると、
当たり前で、どの本にも書いてありそうなことばかりでした。

改めて、経営の先輩方の残したノウハウや物語を、
勉強していこうという気持ちが湧いてきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

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